奇跡の生還!無謀な富士山登山!下山は駅伝コースで時間短縮!?

渡部将之が23歳にして挑んだ富士山登山の下山編。

登り編をまだ読んでない方は、下の記事から読んで頂くと面白さ倍増なので是非。

富士山の下山開始時の心情

ヤツ(富士山)との圧倒的な差を見せつけられた俺は山を下りようと決めた。

まるでヤツ(富士山)は、

「オマエにはまだ早い」

とでも言っているようであった・・・・。

しかし後悔はない。
むしろこっちも、

「今日はこれくらいにしといてやる」

という気持ちだったのだ。

ヤツ(富士山)からしてみても、なんかブツブツ言いながら、

四つん這いで一直線に向かってくる男

はきっと恐怖だったに違いない。

富士山にとって俺はTVから出てくる貞子の様だったろう。

だから今回は引き分け!
しっかり気合と根性見せてきました!

お互い認めあって再戦を誓い合う。
言わば「後から仲間になるであろう敵の負け方」だった。

ヤムチャ?

いや、

ベジータだ。

富士山は下山のときの方が時間がかかる?

そんな感じで、むしろ誇らしく下山し始める・・・・・が、大変な事に気が付く!

「山は登るより下りる方が時間がかかる」って事を聞いていた俺は、さすがにちょっと考えた。

5合目からココ(9合目半)まで、

8時間以上を要している。

え?

って事はアンタ。ヤバいよねこの状態。

今日中に帰れるのか?

そもそもそんな体力なんて残っているのか?

ここは近くの山小屋を勝手に使わせてもらい一泊しようか?

食い物は?

体力は回復するのか?

天気は?

今月電気代払ったか?

俺ン家のビデオに入りっぱなしのAVなんてタイトルだっけ?

さまざまな考えが交錯する。
とにかくまずは山小屋で休憩しようと、なんとか8合目まで下りる。

富士山の下山8合目での出会い

するとそこにマッチョなお兄さんの軍団がいた。
見覚えがある。

9合目あたりでサクサク俺を抜かして、サクサク下りてきた、

超人軍団だ。

ピチピチのパンツにTシャツにゼッケン、

盛り上がった筋肉、

がっつり焼けた身体・・・・・

こいつらプロだ。

なんとなく離れて腰掛ける。
と、向こうも覚えがあったのだろう、挨拶をしてくれた!

もちろんニコヤカに返す。
俺の筋肉だってスゲーんだぞ!みたいな意味を籠めて。

すると、一番年配(と言っても30代前半)の人が話し掛けてきた。

富士山の下山8合目での超人との会話

マッチョな登山家

すごい格好だね。

渡部将之

え?そ、そうですか?(オマエに言われたくない)

マッチョな登山家

何時から登ってるの?

渡部将之

6時からだから9時間くらいっすね。

マッチョな登山家

は!?ど、どこから登ってきたの?

渡部将之

あそこから。(豆粒のよーに見える駐車場を指して)

マッチョな登山家

え?太郎合(坊)から?

渡部将之

ああ、そういう名前なんですか?

マッチョな登山家

・・・・・・・・・・・・・・・・。

渡部将之

・・・・・・・・・・・・・・・・。

マッチョな登山家

君、山は?

渡部将之

初めてです。

マッチョな登山家

・・・・・・・・・・・・・・・・。

フッと男の表情が変わった。
なんかこう優しい表情になったのだ。

マッチョな登山家

君・・・・・水分ちゃんと補給してる?

渡部将之

いや、それが・・・・・。すぐなくなっちゃって雪喰ってました

マッチョな登山家

雪!?

渡部将之

あはははは。

馬鹿だぁ、馬鹿だ俺!

冷静にこれを書いていて痛感する!
あの時、俺はむしろネタのように相手が笑ってくれると思っていたのだ!

男はすぐに立ち上がった!

マッチョな登山家

それはダメだ、これを飲みなさい

と、マッチョ軍団の

  • 栄養ドリンク
  • ゼリー
  • 食料

を分け与えてくれた。

・・・・・・・・神様降臨!

助かった!

大袈裟ではなく、あの時あの水を飲んでいなければ、あのマッチョな神様達に会わなければどうなっていたかわからない。

なぜなら水分を口にした瞬間、どれほど身体がソレを欲しているかわかったのだ。

そして、俺はマッチョ神様軍団

正式名称:愛知県守山自衛隊登山部隊

に保護(救助)された。

富士山登山におけるウイダーinゼリーの効果

無事(無事か?)、自衛隊の方々に救助された俺。

これでかなり先の展望が見えてきた!

何より体力!

本当にスポンジが水を吸収するようにみるみる回復していく。

解りやすく例えるなら、ファイナルファイトで原始肉を取った瞬間にパワー全快になるコーディ!

なに?解りにくい?

じゃあハガー!!

ハガーのイメージ

しかし、あれほどウイダーinゼリーをエネルギーとして取り込んだ人間もさっこん稀ではなかろうか。

ゲームで死にそうになった時に手に入れた回復アイテムだと思って欲しい!

なお、2019年現在。ウイダーinゼリーはウイダーとの提携を解消しただかなんだかで、inゼリーという商品になっている。

富士山に挑む際は大量に買って、持っていくことをおすすめする。

富士山下山中の和やかな会話

何はともあれ、守山自衛隊の皆さんと一緒に下山する。

しかも、俺の実家(愛知県)から近い基地とわかって話も弾む。

毎年行われている富士登山駅伝に参加するらしい。やはりプロだ!

マッチョな登山家

え!じゃあバイクでココまで?

渡部将之

はい。で、そのまま登り始めちゃって。

マッチョな登山家

へぇ~。愛知県から?

渡部将之

あ、いや、違いますよ。

マッチョな登山家

ああ、そりゃあそうだよね。普通は2日がかりだもんね。昨日は近くに泊まってたんだ。

渡部将之

いえ、東京から。

マッチョな登山家

・・・・・・・・・・・・・。

・・・・和やかな会話は弾む。

マッチョな登山家

しかし、この斜面は大変だったでしょう。どこを登ってきたの?

渡部将之

いや、ここを。

マッチョな登山家

ここ?

渡部将之

いま下ってる道を。

マッチョな登山家

ああそう。ジグザグにね。こんな岩ばっかりの道大変だったね。

渡部将之

いえ・・・・・・真っすぐ登っちゃって。

マッチョな登山家

え!だってこの道、下山道だよ!しかも登山駅伝のコースだよ!?

どうやら富士登山駅伝名物「砂走り」というコースを垂直に登った事が判明。

また微妙な表情になる自衛隊登山駅伝コーチ。

マッチョな登山家

キミは・・・・・根性あるなぁハハハハハ。

違う!!

絶対もっと違う事が言いたかったハズだ!

あの目はこう語っていた!!

「山をなめるな!」

「馬鹿かオマエは!」

「なんだその格好は!」

「ってゆーか雪喰うな!!」

確かにそのとーり!
すいませんマジで!
迷惑かけました!

いやしかし、そこは大人!しかも自衛官。
自分の気持ちを抑える事も任務なのでしょう。

「根性」という言葉で踏みとどまった模様!

なんじゃ根性って。
オマエは戦時中の将校か!

いやすいませんマジで。

助かりました食料!

富士山の下山後半に知識の偉大さを悟る

守山自衛隊登山部隊に救助され、帰路につく俺。
しかし、話せば話す程何も知らなかった事が判明。

むしろコーチ。後半はホボ知恵遅れ扱い!

「こんな事も説明せにゃあかんの?」

状態だった!

そーだよ!

知ってたらコンバースで富士山にくるかっつーの!

知ってたらもっと水買ってくるっつーの!!

てゆうか知ってたら、

山開き後にくるっつーの!!!

知ってたら・・・・・。

うう・・・・・・知ってたらよぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

富士山9合目半からの下山にかかった時間

んで。

結局、砂走りコースは下山するのにそんなに時間がかからないようで、一時間半くらいで駐車場に着いたのだった!!

実際の駅伝では40分くらいで降りてくるらしい。

嗚呼・・・・帰ってきたよオヤジ、母さん・・・・。

俺は元気だよ・・・・・・・。

馬鹿だけど。

やっとこさ駐車場に戻ってきた俺。

着いた・・・・。
人間が整備した道だ・・・・・・・。

アスファルトっていうんだよ。

時に人工物は自然より優しい

愛おしそうにバイクを撫でる。

すると、俺の背後で声が聞こえる。
自衛隊登山部隊の隊員さんとコーチ(俺と話した人)の会話だ。

つい聞き耳を立ててしまう。

富士山下山後に聞こえた自衛隊の方々の会話

隊員

あの人・・・・、本当にココから登ってきたみたいですね。

マッチョな登山家
コーチ

ああ・・・・・。まぁ、どこの世界にも・・・・気合の入ったヤツはいるもんだな。負けとれんぞ!

隊員

ッス!

え・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・ッス?

いいのかぁぁぁぁぁ!!!!

そんなんでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!

なんかちっとも嬉しくないんですけど!
褒めてない、褒めてないよ神様(ToT)

完全に

馬鹿扱い

もしくは

イタイ人扱い

じゃないですか!!

よーーーーし。
追い打ちかけてやる!

イキオイonly馬鹿パワーをなめんなよ!!

富士山下山後も続く過酷な状況

渡部将之

皆さん、お世話になりました!登山駅伝観ますね!じゃあ、これから名古屋帰ります

マッチョな登山家
皆さん

今から!?・・・・・・気をつけてねぇ~。

見事に目をあわせてくれない神様達を背に俺はバイクにまたがる。

ぶーーーん

走り去る音

そして俺は言葉通り静岡で風呂に入り、鰻重を喰って、また3時間バイクを走らせ実家に帰ったのだった。

この日・・・・・・、

バイクに乗っていた時間約7時間

山にかじりついていた時間約10時間

食べた雪の量約300cc

奇跡の生還です。

「山は危険」って怒ってくれた友達。

今度は登る前に言ってくださいm(__)m

富士山下山後に知ったこと

最後に。

俺、どうやら自殺者だと思われていたようです。

自衛隊のコーチ曰く。

マッチョな登山家
コーチ

樹海に入って死ぬ前に富士山に登る人はけっこういるんだよ。キミの格好見て、てっきり・・・・。

だそうです。

嗚呼・・・・・・・・。
あの何とも言えない俺を見る目はそーゆー事だったのな。

ナゾは全て解けた!

うーん・・・・・。

よい子の皆さんは真似しないでね。

しねーよ

富士の記憶

ココに封印

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